軽井沢彫りとコラボした桜モデルの集大成「辰桜」!【#ディバイザーワンデイ】
2024年は桜ギター10周年の年として、全国各地の桜材を使用したり、桜への思いを込めたこれまでにないデザインの限定モデルを発表してきました。そして、来たる今年のディバイザーワンデイではその集大成となるギターが製作中!公開まで一か月を切ったその製作過程をお伝えします。
今年の干支は・・・辰年!
10周年の最後を飾る特別モデルのモチーフを託したのは、今年の干支にちなんだ「辰」。縁起を担ぐ意味の「昇り龍」という言葉がある通り、桜ギターのさらなる飛躍への願いが込められていますが、「辰」が選ばれたのにはもう一つの理由があります。
Headwayと辰年
遡ること今から12年前、つまり前回の辰年にもHeadwayに「辰」をデザインに取り入れたギターがあったのでした。あれから干支が一回りした今年、桜ギターで培われた技とアイデアを取り入れた新たなモデルが誕生します!
Headway
ヘッドに宿る「辰」のモチーフ
まずは冒頭の写真でご覧いただいた10周年を締めくくるにふさわしい豪華絢爛の装飾についてご紹介します。
写真はヘッドトップを飾る辰のインレイを製作している様子。アバロン貝やさまざまな木材などから切り出したパーツを一つ一つ手作業で埋め込んでいきます。鼻息ですら飛んでいきそうな小さなパーツを慎重かつ正確に組み合わせなければならない、まさに職人技です。
工房ではマスタービルダーの安井も作業に当たっていました。その眼差しからも、いかにシビアで正確性を要する作業であるかを感じさせられます。
辰から「桜」へつながるデザイン
指板にもこのスペシャルモデルを印象付けるインレイが施されます。ローフレットにはヘッドのインレイからつながる辰の尻尾が表情豊かなアバロン貝によって力強く表現。そして、そのうろこがハイフレットに向けて舞い落ちてゆき、最後は桜の花びらへと変化していきます。一本のギターの中でストーリーを紡ぐという、長い年月をかけて桜ギターで取り組んできた表現方法がここにも生かされています。
山桜を使用したサイド&バック
ボディのサイドバックには工場の保有するストックの中から厳選した美しい杢目を有する山桜をセレクト。トップ材にはアディロンダックスプルースを使用し、サウンド面からも桜材の持つクリアで甘いトーンをしっかりと伝えます。ボディバックは希少なマダガスカルローズウッドとの3ピース構造になっており、指板インレイで見た辰と桜が厳かに表現されています。
3種類のスペシャルカラー
全3本の製作となるHeadwayの「辰桜」では、そのデザインからインスパイアされたカラーでそれぞれ異なる色に着色。工房には辰を思わせる深い緑とナチュラルな桜色の個体が完成を待っていました。残りの一色は果たして・・・?ワンデイ当日をお楽しみに!
Momose
軽井沢彫りによって命を吹き込まれた「辰」
今回はHeadwayだけでなく、エレキギターのMomoseでも共通のデザインを取り入れた特別モデルを製作中。ボディトップには日本国内で採取された桜材が用いられており、桜ギターのポリシーであるデザインだけなく実際に桜を使用しているという点にも注目です。
特徴的なアーチトップのボディには、過去にもコラボレーションをさせていただいた「軽井沢彫シバザキ」による伝統工芸・軽井沢彫りを彫刻。故事成語に「画竜点睛」という言葉があるように、今にもギターから飛び出してきそうな躍動感を感じるデザインです。カッタウェイ部分にかけては桜のデザインも彫刻され、塗装前からこの圧巻の迫力…。完成後の姿にご期待ください!!