Headway桜10周年の集大成を飾る
Aska Team Build Series4000本目
Headway桜10周年の集大成を飾るAska Team Build Series4000本目
2011年に製作が始まったHeadwayのフラッグシップラインナップ『Aska Team Build Series』は製作開始から4000本を突破しました。13年という歳月の中で研ぎ澄まされた『今』の技術の集結、そしてHeadwayの代名詞にまで育った桜モデルの10周年を飾る集大成となる意欲作です。「ストーリーのあるギター作り」の体現を目指し、桜ギターが培ってきた色鮮やかな四季の表現を取り入れ、『Aska Team Build Series』を手掛ける職人達が細部の装飾一つ一つにまでこだわりを詰め込んだ、4000本目を飾るにふさわしい1本となりました。
デザイン
DesignHead ストーリーの始点となる
ヘッドデザイン
穏やかな春の日、障子を開けると一斉に舞い込む桜の花。ストーリーの始まりを予感させる、まさに「春満開」という言葉がふさわしいこのデザインは、すべて職人の手によるインレイワークで表現されています。


Point1縁取りされたHeadwayロゴ
Headwayのロゴマークも縁取りを入れる細かな造形を施しており、テクニカルディレクター安井が丹精込めた至極のインレイワークが光ります。

Point2ハカランダ材から削り出した障子
障子の格子にはハカランダ材を用いており、白蝶貝にて障子紙が切り出された上品な仕上がりとなっております。

Point3開かれた障子の先に広がる桜
開かれた障子の先はパープルハート材を用いており、奥から手前に舞い込んで来る桜の花びらを1枚1枚白蝶貝で表現しています。
Fingerboard四季を表現する
4種類の貝を用いた指板インレイ
桜ギターを彩る大切な要素の一つ、それが『四季』の表現です。日本ならではの四季の移ろいをギターの上で再現することを目指し、これまでも多くの印象的なデザインを生み出してきました。本モデルでは4種類の貝を使い分けることで、舞い散る桜を春夏秋冬になぞらえています。

Pickguardカスタムショップビルダー降幡新の
考案したピックガード
通常の桜ギターに使われるものより、シャープにデザインされたピックガード。これはカスタムショップビルダー降幡新が考案し、自身のカスタムショップモデルなどで用いてきたスタイルです。インレイには指板に舞った桜の花びらがあしらわれています。

Color桜材を知り尽くした
塗装職人が生み出すカラーリング
桜材の杢目と華やかさを生かしたカラーリングも桜ギターの特色のひとつです。テーマとする季節やデザインの背景となるストーリーをもとに数々の桜ギターの塗装を担当してきた飛鳥ファクトリーの塗装職人、深田が本モデルも担当。桜材のフレイム杢を引き出すだけでなく、その中に桜モデルらしい鮮やかさを共存させた絶妙な色合いのグラデーションカラーを追求しました。

Body Back大胆なボディバックのインレイワーク
ここ数年の桜モデルでテーマとなっている和傘の女性を大胆にデザイン。細かなインレイワークと着色を組み合わせ着物の布の生地感を表現し、佇まいながら桜を眺める情景を映し出しています。パーツ一つ一つに渡りこだわり抜かれた仕上げはまさに職人技です。


Point1ボディトップ・サイド・バックの
3方面から見た桜の表現
ボディの肩部分にはボディトップ・サイド・バックと3方面から見た桜を表現しており、立体的な視点を取り入れました。桜の枝部分には影が落とされ色合いと共にリアルな表現を行い、そこへホログラフィック塗装で桜の花を咲かせております。満開の桜から舞うホログラフィック塗装も絶妙な色加減で表現しており、深田の塗装技術が成せる技が光ります。

Point2裾と袖で塗り分けられた
着物の色合い
和傘の女性が着ている着物の色合いも淡く上品な色加減で表現されており、裾部分と袖部分を分けて塗ることで、実際に着ている時さながらの色合い表現となっております。

Point3ワンポイントにいれる
隠し文字
ボディバックにデザインされた和傘の女性の履物にはワンポイントにて漢字で4000の文字が隠されており、デザイナーの遊び心も桜ギターを作る大切な要素です。
Sound Hole Coverサウンドホールカバー
桜ギター10周年を記念したアニバーサリーロゴを前面に施し、その周りを天然貝を使用した美しいインレイで飾った特別なサウンドホールカバーが付属します。

特徴
FeaturesHOFC新機軸フローレンタインカッタウェイ
Headwayの新機軸であるフローレンタインカッタウェイを備えたHOFCシェイプ。ハイフレットでのプレイアビリティのみならずハイトーンが艷やかで洗練されたクリアなサウンドが新たなHeadwayの幕開けを感じさせます

Sideback山桜
ボディのサイドバックには工場の保有するストックの中から厳選した美しい杢目を有する山桜をセレクト。 カラーリングとの組み合わせで引き立つ杢目は数々の桜材を手掛ける中でも貴重な材料となります。

Adirondack Spruceアディロン
トップ材には最高グレードのアディロンダックスプルースを使用し、サウンド面からも桜材の持つクリアで甘いトーンをしっかりと伝えます。

ESU NeckESU-Neck
Headway史上最も薄い設定で握りやすい形状のエクストラスリムUネックを採用しました。ただ薄くしただけでなく、ネック内部にカーボンサポートの補強を入れることによりHeadway従来の特徴である堅牢さ、安定性も保持しています。女性や手の小さいプレイヤーにも試して頂きたい自信のネックグリップです。 少し使い馴染んだ後のネックのような半艶仕上げを施すことにより、適度に手がネックに吸い付く程よいグリップ感を実現しました。また、カーボンサポートにより、剛性が高まりレスポンスの良さに繋がっております。

職人
Craftsman
まず、4000番という節目を迎えられたこと、そしてATBのギターを手にしてくださった4000人の方々に、心から感謝を申し上げます。私の職人人生は決して順調なものではありませんでした。時代の流れとともに変化する音楽のニーズ、新しい技術の開発、求められる木材の変化など、数多くの壁が立ちはだかりました。しかし、スタッフとともに切磋琢磨し、技を磨き、知識を深めながら、それらを乗り越えてきました。その先に、私たちのギターを手にした方々が、それぞれの音を奏で、多くの人を音楽の世界へと導いてくださっているのだと思っています。
今回、私は4000番の製作にあたり、主にインレイの加工を担当しました。自分の持つスキルを最大限に発揮し、高い加工精度で仕上げることを心がけました。また、新たな挑戦として、ボディの半分近くを占める大きなインレイの製作にも取り組みました。この加工には延べ1か月近くの時間を費やしました。大きなインレイは精度を出すのが難しく、何人もの和傘の女性を犠牲にしたことでしょう(笑)。
このモデルは、ATBの総力を結集し、構想から完成まで1年を要したギターです。桜ギターが誕生してから10年という節目でもあり、ATBらしい「和」と「桜」をどのように表現するか、試行錯誤を重ねた1年でもありました。最高の材料、最高のデザイン、そして最高の技術をもって、このギターを生み出しました。このギターをどんな方が手にし、どんな音を奏で、どのように表現してくださるのか、とても楽しみにしています。
Yasui Masato安井雅人

ヘッドウェイ桜ギターの10周年記念モデルであり、記念すべきATBの4000番でもあるこのギターに携われたことを喜ばしく思います。 いつも装飾にもこだわっている桜ギターですが、4000番は「今のヘッドウェイに出来る極致」とも言えるほど豪華絢爛なものになったと思います。また、見た目だけでなく、百瀬さんから受け継いだヘッドウェイらしいしっかりとした作りのモデルにも仕上がっています。
Furihata Arata降幡新

ヘッドウェイのATBシリアルナンバー4000番製作に携われて光栄に思います。デザイナーの素晴らしいデザインを忠実に再現できるよう努力すると共に、常日頃から目指している「遠くから見ても近くで見ても美しい塗装」にもこだわりました。桜の枝はエアブラシで細かく陰影をつけ、全体のグラデーションは色の移り変わりが極力自然になるよう心掛けました。私たちにとって特別なこの1本が、みなさまにとっても特別な1本になることを願っております。
Fukada Akihiro深田明宏

試奏動画
Movie