【ディバイザーがゆく!ギターショップ巡り】工房編~ワークショップディバイザーギターズ潜入!!~
全国の楽器店・名物店員さんをご紹介させて頂く連載ブログ「ディバイザーがゆく!ギターショップ巡り」!
今回は初の工房編として我らがディバイザーの工房「ワークショップディバイザーギターズ(以下、WDG)」へ潜入しました!
WDGとはディバイザー社員の中から選りすぐりの職人数名からなる、ファクトリー部門でBacchus CraftシリーズやHeadway Japan Tune-upシリーズ(以下、JTシリーズ)、SeventySeven JTシリーズなどを中心に組み立てを行う部門です。
そこで今回はHeadway JTシリーズとSeventySeven JTシリーズにフォーカスを当てて職人に色々語ってもらいましたよ!
ディバイザースタッフ:そもそもHeadway Japan Tune-upシリーズとは何ぞや???という方もいらっしゃるかと思います、そして既にJapan Tune-upシリーズをお持ちの方も、自分のギターが出荷前に職人によって魂を吹き込まれているところはご存じないかもしれません!!
そんなディバイザーの秘密基地であるWDGの裏側に潜入取材してきましたよ!さあ、それではいってみましょう!!!
ディバイザースタッフ(以下、ディバスタ):早速作業風景を見させてください!
WDG職人:どうぞ!今まさにHeadway JTシリーズのチューンナップ作業を行ってます。
今回は①ナット調整、②サドル調整、③フレット調整、④弦張り・調整 に大きく分けてご説明します!
チューンナップ①:ナット調整
ディバスタ:はい、きました!ナットの調整作業!!
WDG職人:そうです!ナットのチューンナップは弾きやすさ・サウンドにも直結するとても重要なパーツなので、細心の注意を払い丁寧に1台1台作業をしていきます。
ディバスタ:具体的にはどんな作業をしているんですか?
WDG職人:まずはナットの角を落とし形を整える成形作業を行っていきます。ナットの角を綺麗に丸め磨き上げることで、触れた際の手触りの良さと見た目の高級感にも繋がる大事な工程です!
ディバスタ:成形され磨かれたナットは見事な艶で確かに高級感が生まれますね!
WDG職人:成形作業としては一旦ここまでになります、残りは④で弦を張って最終調整でナット溝に手を加えるんですが、今回は一気にナット溝調整も説明しますね!
ディバスタ:お願いします!
WDG職人:ナットの作業としては弦を張ってからナット溝の調整を行います。安価な楽器では1~6弦までナット溝の高さが均一でなかったり、そもそもナット溝が高く1~3フレットのローコードを弾くときはもちろん全体で弦高の高い弾きにくい楽器になってしまいます。
ディバスタ:確かに!ナット溝調整のビフォーアフターでは弾きやすさが段違いですね!これならエレキギターユーザーでも持ち替えの際に違和感なく弾けますね、ビギナープレイヤーの関門「Fコード」なんかも押さえやすいです!
WDG職人:触って弾いてもらうのが一番伝わりますが、ナット溝が適正であることは弾きやすいギターである必須条件と考えてますので、手作業でしっかり調整しています!
ディバスタ:これはコードが上手く押さえられなくてギターから遠ざかってしまったユーザー様や、今 弾きづらさを感じているユーザー様には楽器店の店頭で見かけたら弾いてみて欲しいですね!
ナットの作業が終わると次はサドルの作業ですか?
チューンナップ②:サドル調整
WDG職人:はい、次はサドルの作業に移ります!
サドルも弦高にかかわるパーツで弾きやすさに影響するので高さの調整はシビアに行っていきます。もちろん1台1台のコンディションに合わせて手作業で調整していきます。
ディバスタ:木材で作られる楽器だからこそ1台1台の個体差に合わせている訳ですね!
そして先ほどのナットとこのサドルが組み合わさることであの弾きやすさなんですね!しかもこのサドル上面の角が取れ凄い滑らかです!
WDG職人:気が付いて欲しかったポイントです!そこは重要なポイントでサドル上面を滑らかに仕上げておくことで、サドルに手を置く演奏スタイルでもストレスフリーで演奏してもらいたい。その為にサドル上面は滑らかに仕上げてます!
ディバスタ:職人の気遣いが感じられる大事なポイントですね!確かに何気ないところで手触りに違和感があったりすると演奏に集中したいのに気になっちゃう…なんてこともありますから!
WDG職人:僕らも楽器を作るだけではなく、ギター好きの一員でありプレイヤーでもあるのでそういう意味でも気持ちよく演奏して貰える楽器を届けていきたいので、細かいポイントも大事にしています。
ディバスタ:楽器好きが仕上げる楽器って何か魅力的ですよね、ユーザー様にもチェックしてほしい部分です!
チューンナップ③:フレット作業
WDG職人:次にご紹介したいのがフレット周りの作業なんですが、それはこっちのモデルでご説明します!
ディバスタ:おっと、その前にこのモデルは…フローレンタインカッタウェイがカッコイイ人気機種の「HGAF」モデルじゃないですか!!
WDG職人:カッコイイですよね!「HGAF」モデル!モダンな外見は僕ら職人の中でも好評でルックスのバリエーションも豊富でサウンドキャラクターも非常に良いんですよ!
ディバスタ:フローレンタインカッタウェイをこの価格で実現するのは非常に大変で開発にも多くの時間をかけました汗…話がずれそうなのでフレット作業についてお願いします!
WDG職人:それでは、まずはネックを適正の状態に調整しフレットの高さを合わせる「すり合わせ」を行っていきます。この作業でフレットの微妙な高さの誤差を均一に整え弦高を下げてもビビらないセッティングができる楽器に仕上げていきます。
ディバスタ:この工程があるからこそ、先ほど紹介していただいたナットとサドルの調整が生きてくる訳ですね!
WDG職人:そうなんです!先に進めますね。すり合わせが終わったら、フレットサイドを綺麗に丸めていきます。綺麗に丸めてあげることで、演奏中のフィンガリングがスムーズになるので、演奏に集中してもらう為にも大事な工程になります。
ディバスタ:数ある小さなフレットサイドを一つずつ手作業で丸めていくのは根気と技術の必要な作業ですね…ですがそのおかげで演奏中にスライドしてもフレットサイドの引っ掛かりが少なくスムーズな演奏ができます!
ここ重要ですよ!覚えて帰ってくださいね!テストに出しますから!(笑)
WDG職人:本当に重要なんです(笑) ほんとに肝なんですよね冒頭でもあったストレスの少ない楽器って…自分もプレイヤーであるが故そこにはこだわりがあります!
WDG職人:ギターが楽器として鳴る瞬間までもう間もなくですよ!弦を張り最終的な調整を行っていきます!
ディバスタ:おお、いよいよ弦が張られて魂が宿りますか!!職人魂!!
チューンナップ④:弦張り・調整
WDG職人:この工程では弦を張り、①・②のチューンナップでご紹介したナットとサドルの最終調整も行います。
ですので、ここでセッティングを細かく詰め、楽器店様そしてユーザー様のもとへ届ける状態へと仕上げていきます!
ディバスタ:この工程でのセッティングがお客様まで届くと思うと非常に緊張する作業のような…
WDG職人:そうですね、確かに緊張もしますし責任感が必要な工程です。ですが、それ以上にやはりユーザー様がこのギターを持って気持ち良く演奏してもらう、喜んで楽しむところをイメージするとワクワク感にも似た特別な喜びもあります!
ディバスタ:まさにそれが職人魂なんですかね!?1台1台に職人の思いが詰まっている楽器はそれだけでも愛着を感じられます!
WDG職人:ぜひお手に取っていただいて際には愛着を持って可愛がって弾いてもらえると、なにより嬉しいです!
ディバスタ:愛着を持って可愛がって頂けると、職人冥利に尽きますね!
SeventySeven JTシリーズも調整!
ディバスタ:WDGではSeventySevenのJTシリーズもチューンナップを行ってますよね?
WDG職人:行っています!こちらがSeventySeven JTシリーズになります!
ディバスタ:このモデルはEXRUBATO-CTM-JTのT-REDカラー!フレイムメイプルの杢目にゴージャスな装飾がカッコイイモデルですね!
WDG職人:ゴージャスでかっこいいですよね!SeventySeven JTシリーズの中でも人気モデルで最近チューンナップ本数が増えて納品にお時間をいただいてしまっているほどです…!
ディバスタ:最近”ハコモノギター”の人気も高いですからね!
SeventySeven JTシリーズもチューンナップの内容を教えてください!
WDG職人:基本的にはHeadway JTシリーズと同様にナットやフレットなど弾きやすさを重視してチューンナップしていきますが、エレキギター特有の工程でピックアップをセッティングする工程が増えます!
ディバスタ:先ほど説明してもらった様にしっかりチューンナップされているなら弾きやすさは間違いないですね!増える工程のピックアップのセッティングでポイントを教えてください。
WDG職人:ピックアップのセッティングでは1弦と6弦での音量差やフロントピックアップとリアピックアップでの音量のバランスを適切に合わせながら、SeventySeven JTシリーズではオリジナルのアルニコ2ピックアップを搭載していて繊細なニュアンスも拾えるので、その長所を生かせるようにセッティングを行っています。
ディバスタ:ピックアップのセッティングは意外に自分でやろうにも、良いポイントがわからなかったり音量のバランスが悪くなったすると、これも演奏に集中できない要因にもなりますから、買った時からバッチリなセッティングなのは嬉しいですね!
WDG職人:こういった部分がJapan Tune-upの名前の通り、国内で職人が手を入れるからこそできるところです!
ディバスタ:今回はチューンナップ工程を見させていただいてありがとうございました!1台1台丁寧にチューンナップされていることがわかりました!
WDG職人:こうして実際に作業風景や工程の説明を皆さまにご紹介できて良かったです!ぜひこれから楽器店様にてJTシリーズを見かけたら弾きやすさを試して頂きながら、職人が手掛けていることを感じてみてください!
ディバスタ:それでは、WDGを後にして、ディバイザーがゆく!次へ向かいましょう!!
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