マスタービルダーの日常〜降幡新 編〜
Headwayが誇るマスタービルダー
百瀬・安井・降幡
の3名。
彼らが作るギターのクオリティの高さ、『職人』という職業柄、なかなか近寄りがたい印象を抱きますが…
今回はそんなマスタービルダー達の日常の姿、職人の仕事を知ってもらうべく、彼らに1日密着取材!!
3週間連続公開!!
【マスタービルダーの日常】記念すべき初回は…
Headwayの本流を行く気鋭のマスタービルダー
降幡 新(ふりはた あらた)
2009年の入社後からHeadway Standard seriesの生産に携わり、材料準備から加工など担当した後エレキギターの加工工程を経て再びアコースティックギター制作に携わる。
百瀬恭夫、安井雅人をはじめとした先輩職人から直接の指導を受けつつ、甲貼りや木材準備、ネックの仕込みなど各作業を担当。
Aska Team Buildシリーズでは甲貼り、ネック仕込みなどサウンド面の要を担う作業を主に担当し、実質的なATBシリーズの音作り、仕上げ全般に責任を持つ。
2018年5月から、Aska Team Buildシリーズの製作と並行して自身のCustomshopモデルを製作開始。
安井雅人がこれまでに無かった新しいHeadwayを模索する一方、降幡は百瀬のギター作りを忠実に継承しながらさりげなく独自色を織り交ぜていくといった作り方を得意としている。
サインからちょっぴりチャーミングな姿が見えますね!
それでは密着取材開始!
午前 8:30
飛鳥工場の1日は午前8:30から始まります。
降幡が出社後、朝イチで取り掛かるのは・・・
自身のCustomshopモデル製作作業
本日はサウンドホール周りのロゼッタを埋め込んでいるようですね。
パーツが細かい!!
華やかな見た目の裏側にはこんなに細かな作業が行われているんですね…!
そして、作業台に置かれている裏甲も気になります。
これは降幡のシグネチャー・デザインである【3Pクロスラウンド】。
バック材に真っ直ぐなセンターピースを合わせた3Pバックは珍しくない仕様ですが、3Pクロスラウンドは手加工で曲線を作り美しく接ぐ必要があるため、マスタービルダーの高い技術力が現れたものであるといえます。
降幡は百瀬譲りのトラディショナルな形のアコースティックギター作りを本筋としていますが、こういった要所要所に独自のオリジナル色を織り交ぜることで自身が考える「Headwayらしさ」を追求しています。
午前 10:30
次に取り掛かるのはHeadwayのフラッグシップシリーズAska Team Build Seriesの作業。
Headwayの国産ラインナップでは、木材の仕入れや乾燥から数えると数ヶ月単位でギター製作を進めています。
そのため、その週、その日ごとに行っている作業が異なりますが・・・本日は何の作業をしているのでしょうか?
ボディ外周のセル巻き作業です!
Headway ATBシリーズでは、桜モデルをはじめとした様々なデザインの限定モデルを製作していますが、実はそれらのバインディングもモデルごとによって細かく仕様が異なるのをご存知でしょうか?
実はモデルコンセプトやデザインに合わせ、ボディ外周のバインディングには、黒だけでなく、赤や青のラインが入っています。
こういった職人の数ミリ単位の細かなこだわりが積み重なったうえで完成するATBシリーズはまさにHeadwayのフラッグシップラインだからこその仕上がりになります。
午後 13:00
昼休憩を終え、午後から取り掛かる作業は…
なんと!
とあるイベントに向けた製作モデル用の材出し!!
いいタイミングで密着取材できました!!
ここから数ヶ月時間をかけてギターの形になっていきます。
イベントに出展されるモデルは、少し変わった材を使用したモデルや、職人たちが腕によりをかけた特別仕様のモデルが登場しますが…今回はどのようなモデルが完成するのでしょうか?
降幡:
どんな材料使ってますよみたいな写真あったほうがいい?(笑)
筆者:
そうですね!ありがたいです!(笑)
取材側の気持ちも考えてくれる降幡さん!この人柄の良さも皆さんに伝わってほしい…
こちらが「どんな材料使ってますよみたいな写真」です!
どんな材料を使っているのかは…杢目から想像して完成までお待ち下さい!!
午後 15:00
15:00から終業時間までは再度ATBシリーズのセル巻き作業に戻ります。
1日に何時間もこの指先数ミリ単位の作業ができる集中力、凄まじいですね…
と、そこで!!
作業中に降幡の師でもある、百瀬が登場!
何気ない会話に花を咲かせました。
実はアコースティックギターの作業部屋は常に眉間にシワを寄せて作業するような空気感ではなく、集中するときはしっかり集中しながらも、時にはこうして会話をしながら作業を行っています。
『職人気質』という言葉がある通り、ギター職人も気難しい性格の人が多いのかと思いきや、ATBにはフレンドリーで素直な方が多い印象です。
そのため我々ディバイザーの社員も気軽に話しかけやすく、新モデルについての話や技術的な面など、様々な相談に乗ってもらうこともよくあります。
降幡は高校生の頃、飛鳥工場に工場見学に訪れた際にギターを製作する百瀬の背中を見てギタービルダーとしての道を志しました。
今やHeadwayのマスタービルダーとして、百瀬と肩を並べながら日々ギターを製作していますが、まだまだ自身は発展途上だと語ります。
百瀬相当の刃を進める速さはまだなくとも、一つ一つ測りながら、音を確かめながら丁寧に、貪欲に技術を吸収しながらギター製作に向き合うのが降幡のギター作りの強みであると言えます。
午後 17:30
1日の作業を終え、帰路につきます。
マスタービルダー降幡新のとある1日の様子でした!!
次回予告!!
次回の『マスタービルダーの日常』では…
Aska Team Buildのリーダーであり、Headwayのテクニカルディレクターであり、自身のCustomshopも手掛けるマスタービルダー・安井雅人に密着!!!
現Headwayの実質的なリーダーである安井の一日とは?ギター製作にかける想いとは?
乞うご期待!!
降幡へのインタビューも掲載中!
今回1日密着取材したHeadwayマスタービルダー『降幡新』のギター作りの信念や思いについてさらに掘り下げたインタビューは【アコースティックギターマガジン Vol.93】に掲載中!!
Headway45周年記念の大ボリューム特集記事、ぜひ紙面でもご覧ください!
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