マスタービルダーの日常 〜安井雅人 編〜
Headwayが誇るマスタービルダー
百瀬・安井・降幡
の3名。
彼らが作るギターのクオリティの高さ、『職人』という職業柄、なかなか近寄りがたい印象を抱きますが…
今回はそんなマスタービルダー達の日常の姿、職人の仕事を知ってもらうべく、彼らに1日密着取材!!
第1弾 降幡新編
に引き続き、今回密着取材するのは・・・
唯一無二の価値を体現するHeadway新世代のリーダー
安井 雅人(やすい まさと)
ESPギタークラフトアカデミーを卒業後、2002年に株式会社ヘッドウェイに入社。ヘッドウェイ創業以来の職人兼最高技術責任者である百瀬恭夫の下でアコースティックギター製作の経験を積む。やがて頭角を現し、NC加工技術の導入など新しい生産技術を積極的に導入していく。2010年「Aska Team Build」シリーズの発足とともに、ATBのリーダーとしてチームを率いることになる。
2016年、それまで百瀬恭夫のみが製作していたHeadwayの最高級ライン「Customshop」シリーズの二人目のマスタービルダーに抜擢される。自身の製作するCustomshopモデルにおいては以前から備えていた柔軟な発想をもとに新しいデザインや技術の導入を果敢に進め、これまでのHeadwayには無かった独創的なギターを形にしていく。ブレーシングを溝にはめ込む「グルーブド・ボンディング」やベアリングを用いてネックを均一に調整する「ベアリングトラスロッド」など多数の画期的な設計、仕様にも取り組んでいる。加工技術そのものだけでなく、状況を俯瞰する視点、柔軟な発想、その発想を形にする実行力も持ち合わせているHeadwayテクニカルディレクターであり、Headway新世代のリーダー。
「こんなこといいな できたらいいな」を実際にやってしまう技術力の高さ、そして柔軟な発想を持つからこそ生まれたHeadwayギターも多数…!
Headwayを率いるリーダー・安井雅人の1日に密着!
午前 8:30
午前はAska Team Build Seriesの組み込み作業から入ります。
ATBでは1ヶ月単位でモデルを製作しているため、日ごとに作業内容が異なります。
1ヶ月単位で製作を回すということは…
前回の記事で降幡がセル巻きしていたモデルの作業の続きが見れますね!
さて、8月に取り掛かっていたモデルは…
おっ!
このヘッドは…!
何を隠そう、限定桜ギターの『函館桜』モデルでした!!
本日はブリッジサドルの取り付け作業を行っています。
ドライヤーで塗装面を温めて剥がしやすくし、木部を傷つけないように塗装の分コンマ数ミリをなんと手作業で削ります。
削りカスを見ると向こう側が透けるほど薄いのがわかりますね…
ブリッジ部分の加工は弦振動を支える『最重要工程』と言っても過言ではありません。
ここの精度が悪ければ音の鳴り方にも影響してきます。
ブリッジを仮当てしてみて…
今度はブリッジ側を少し加工して…
再度当ててみて、具合を確認したら接着剤を塗り、圧着!!
飛鳥工場特注のクランプでしっかりと挟みます。
この加工精度の高さと強力な圧着により、Headwayの「一生涯をかけて弾き続けることが出来るギター」たる頑丈さが生まれます。
午前 11:00
安井はHeadwayテクニカルディレクターという役職柄、パーツの発注や木材の手配、新製品の会議などなど…
外部の取引先やあちらこちらの部門を忙しなく移動する日もしばしば。
ギター製作だけが仕事じゃないんです…超多忙です…
午後 15:00
飛んで午後15時!!
飛鳥工場アコースティック部屋に戻ってきてから行う作業は「指板の研磨」!
この大きなベルトサンダーを使って調整していきます。
専用の治具に固定して、研磨していくのですが…
もちろんこれも手作業!!
Headwayのギターは塗装後に膨らみや反りが出てしまったボディに対して、適切な角度でネックを仕込む「後仕込み」を採用しておりますが、実際の演奏のしやすさが現れる点は弦と指が触れ合う指板。
指板の調整が『最重要工程』と言っても過言ではありません。
▼「後仕込み」について詳しくはこちらの動画をチェック!!ヨメトオレファンの安井も嬉しそうです。▼
全部『最重要工程』じゃないか!と気付きましたでしょうか。
アコースティックギターはアンプ等を通さずギター本体のみで音を増幅させ、出力する楽器です。そういった仕様から「生ギター」と呼ばれることもあります。
一つ一つのパーツの精度の仕上がりと組み込みの精度がより顕著にサウンドに現れるため、材の木取りから乾燥、加工、仕上げまで、全ての箇所が最重要箇所と言えるのです。
筆者:
ここまで作業工程見せちゃっても大丈夫なんですか?技術的に外部に見せちゃいけない部分は無いですか?
安井:
無いね。この技術を見たところで、出来るならやってみてください。
とのこと・・・
これぞ職人という自信と気迫!かっこいい!!!
午後 17:30
様々な点からHeadwayを支えながらも、自ら先頭に立ってブランドを牽引する、安井の1日はこれで終了。
なかなか自身のCustomshopに手を付ける時間が無い中でも、安井の頭の中では常に新しいアイデアが生まれ続けています。
日頃の溜まったアイデアが爆発したかの如く、製作される安井のCustomshopギターは他に類を見ないような趣向が凝らされています。
これまでの百瀬が積み上げてきたHeadway像そして、お客様が感じるHeadwayのイメージをいい意味で裏切るような「次世代のHeadway」をこれからもご期待ください!
次回予告!!
次回の『マスタービルダーの日常』第3回目にして最終回は…
彼を語るのにもはや言葉は不要!
Headway創業以来の職人であり、最高技術責任者!マスタービルダー・百瀬恭夫に密着!!
乞うご期待!!
安井へのインタビューも掲載中!
今回1日密着取材したHeadwayマスタービルダー『安井雅人』の思いについてさらに掘り下げたインタビューは【アコースティックギターマガジン Vol.93】に掲載中!!
Headway45周年記念の大ボリューム特集記事、ぜひ紙面でもご覧ください!
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詳しくは下記のリンク先からチェック!!
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