HC-Y’s Concept’22 SF,S-ESU/ATB

Introduction

ATBシリーズでは未採用の新システムを導入したコンセプトモデル

新システム「ツイストレスシステム」

どんな演奏性でもストレスを最小限に押さえ、長時間でも心地よく弾ける様々な機構を取り入れています。
極薄 エクストラスリムUグリップを採用し高い演奏性と、トラスロッドによるネックの捻じれを２つのベアリングで受け流すツイストレス機構を搭載しました。
トラスロッドによるネックの捻じれはネックの反りを調整する際に発生します。
ナットがトラスロッドを回す力とトラスロッド自体を引っ張る力、そこにナットとワッシャーとの間で摩擦により捻じれようとする力が発生することで捻れが発生します。
通常のトラスロッドではこの摩擦による捻れようとする力の影響でネックがわずかに捻じれてしまいます。トラスロッドを調整するたびにこの捻じれは大きくなっていきます。このわずかな捻じれをナットとワッシャーの間に設置されたベアリングが回転する事により捻れようとする力を受け流します。
トラスロッドの捻じれによる影響を受けなくなったネックは反りを矯正する力のみを受け捻じれの無い安定した状態となります。
安定したネックはシビアなネックの調整や弦高調整を可能とし高い次元での演奏性を維持することができます。

ルッツスプルースとパドゥークが織りなす澄み渡るクリアトーン

サイド＆バックは希少なパドゥーク材を使用することで低音と高音がバランス良く鳴り、カナダの一部産地で採れるルッツスプルースは硬質でありながら柔軟性もあるウッディできらびやかな高音を奏でます。「34 セミフォワードブレイシング」を採用することで2つの木材を調和させ中音域をより引き立て、フィンガースタイルでの繊細なタッチや、歯切れの良いストロークプレイにも高レスポンスで反応し弾き手のニュアンスを表現してくれます。

次世代のモダン仕様 ピンレスブリッジ搭載

弦のテンションを緩め演奏性を高める機構です。
ピンレスブリッジは、ブリッジのエンド部にボールエンドを引っ掛けるスリットを設けその溝に固定するブリッジです。
サドルで折れる弦の角度が異なり、従来のブリッジは鋭角となりピンレスブリッジでは鈍角になります。
この2つの違いによりサドルと弦の間に起こる摩擦抵抗が変わります、鈍角になればより摩擦抵抗は小さくなりスムーズに弦が伸縮することができます。弦を押さえた際の力で弦がストレスなく伸びるので柔らかく感じるようになります。

新機構の テーパード フィンガーボード

ブリッジの他に、指板がエンド部よりナットに向かうにつれ通常よりも約0.5mmテーパードしている事で、ネックセット角を浅くできサドルからナットへ弦が折れる角度を変える機構となっておりテンション感を緩和しています。
648ｍｍスケールでもテンション感がよりマイルドになり、長時間演奏しても648mmスケールと思えないほどの高い演奏性を実現しました。

視認性に考慮したルミンレイポジションを採用

ポジションマークには指板上・サイド共にルミンレイを採用しています。ルミンレイは蓄光素材の為、薄暗いステージなどでも視認性が良く実用性を高めた仕様になっています。
また、ポジションマークの配置もΦ3の小さめなポジションマークを6弦側に寄せて配置することでプレイアビリティの向上をはかっています。

ノンピックガード仕様

トップ材には硬質なシトカスプルースと、柔軟性の高いイングルマンスプルースの自然交配種であるルッツスプルースを採用し、サウンドホール周りのロゼッタにはアバロンを施しております。
ボディの鳴りを最大限生かす為、ノンピックガード仕様となっているため、ルッツスプルースの白い木地の色味にアバロンのロゼッタがシンプルながら高級感を出す安井らしさを感じられる装飾に仕上げております。

安井 雅人より

カスタムシリーズでは、オーダーをいただき時間をかけてワンオフ製作をしております。
今回のコンセプトモデルは効率化と最適化のため図面設計や製作工程を再度見直し、シリーズでは実現不可能といわれた仕様や機構を搭載しました。
弾き手に優しいギターをテーマとし私が製作したモデルをより身近に感じて欲しいと長年に渡り考え「Y’s Concept」が誕生しました。コンセプトモデルはカスタムモデルから落とし込んだ仕様を提案していますが、今回は飛鳥チームビルドでは具現化することが難しいと思っていたアジャストロッドの「ツイストレスシステム」や「テーパードフィンガーボード」など技工や工夫を盛り込みました。色々なお客様にぜひ体感して欲しい「優しい弾きやすさ・長時間弾けるギター」をテーマにご提案致します。
店頭でぜひ触ってみて「お！」と思ってくれたら嬉しく思います。