石川県産の桜材と栃材を使用したモデルの売上金一部を石川県へ義援金として寄付いたしました
ディバイザーでは、2024年11月に開催したOne Day Guitar Showにて、石川県産の桜材と栃材を使用したモデルを発表いたしました。
今年の元日に発生した「令和6年能登半島地震」を受け、「私たちにできることはないのか」という思いから、以前より木材を調達し企画を待っていた「石川県七尾市産の桜材」を中心にギター製作をスタートしました。
デザインなどの企画から始まり、製作には半年以上の月日を要すなか、月日と共にニュースで震災の事が報道されることも次第に減っていきました。しかし、木材の仕入れを行う中で生まれた石川県の会社との繋がりなどから、まだまだ復興の歩みが進んでいない地域もあるということを耳にします。一人でも多くの方に被災地の現状に関心を寄せてほしいという願いを込めて、ギター製作を進めていきました。
そして11月に迎えたOne Day Guitar Show当日、石川県産の桜材と栃材を使用したモデルは多くの反響を頂き、製作したモデルのすべてが全国の楽器店様へ納品。売上金の一部を義援金として寄付させていただく為、12月某日に石川県庁を訪れました。
石川県庁では石川県出納室長の中村様とお会いさせていただき、能登半島の今について詳しくお話を聞かせていただきました。
被災地では、水道のライフラインなど復旧も進んでいるが、被害の大きかった地域では現在も給水車も出動しながら生活されているということを伺いました。また、海岸線が隆起したことにより半島の海岸線の地形まで変わってしまったという事実も耳にし、自然の力の大きさを改めて痛感させられました。
また、月日と共に復興が進む中で9月には能登半島を豪雨が襲い、復興の歩みが止まるだけでなく、さらなる被害も出ている現状を知りました。この豪雨災害で未だ約300名もの方々が避難所生活を余儀なくされており、震災後に建てられた仮設住宅では浸水が発生。溜まった泥を除去するなどの作業に迫られ、新たに必要な仮設住宅を建てる為にも場所も少なく、同じ場所ではまた水害の可能性がある為、仮設住宅そのものにも工夫が求められているという難しい現状に直面していることが分かりました。観光地などにもその被害は及び、有名旅館などでも再建が進んでいない建物もあり、現地の産業にも大きな影響を与えています。
能登半島の今について様々なお話を聞かせていただき、情報を発信することの大切さを身を持って体感する経験となりました。そして何より、震災以上にその後の豪雨災害がもたらした被害や、未だ復興の進んでいない地域が存在することなど、能登地方の置かれている今を強く心に感じさせれました。
今回の石川県産木材でのギター作りを通して、メーカーとしてできること、ひとりの個人としてできることに差はありますが、まずは関心を持つこと、そしてそれを伝えることの重要さを肌で感じる機会となりました。一人でも多くの皆さまがギターという楽器を通じて能登地方の現在に関心を抱いていただければと願っております。
石川県産の桜材と栃材を使用し制作したモデル
石川県七尾市産の桜材をボディサイドバックに使用したHeadway 「NOTOZAKURA」モデル。
デザインには霊峰白山と舞い散る桜と共に、石川県の鳥であるイヌワシの飛び立つ姿を表現しました。
サウンドホールカバーとサウンドホールラベルには金沢随一の金箔職人集団「箔一」とのコラボレーションで金箔を用いて石川県らしさを取り入れています。
石川県産のソメイヨシノをボディトップに使用したMomose「FUYUZAKURA’24」モデル。
Headway同様にイヌワシのデザインを取り入れながら、淡い桜と雪の白さを表現した可憐な色合いが日本らしさも感じさせます。
ヘッドトップにはこちらも「箔一」とのコラボレーションを行った、金箔で桜があしらわれた特別なオーナメントが入ります。
石川県産の栃材をボディトップに使用した「TOCHI WSE’24」モデル。
木地の白さが際立つ良質な石川県産の栃材を生かす為、鮮やかなブルーを貴重とし、和のイメージで紫陽花の様な色合いを表現。
ピックガードには特徴的な石川県の形をデザインし、石川県産の木材を使用していることの証となります。