【ディバイザーがゆく!ギターショップ巡り】テクニカルセンターの赤松の故郷~安曇野の大南造園へ!~

全国津々浦々の楽器店を巡り、個性あふれる店舗やスタッフのみなさまにフォーカスを当ててお届けしていくこの企画!!

今回は6月末に竣工したディバイザーの新社屋「ディバイザー・テクニカルセンター」ここの正面に植え付けられているのが・・・

赤松

普通の庭木とはイメージの違うこのスタイル・・・めちゃめちゃカッコいいですよね!!!

聞くところによるとこのカッコいい赤松を植え付けてくれた安曇野市の造園屋さんは赤松に並々ならぬこだわりがあるとのこと!

そんなことを聞けば、アカマツギタープロジェクトとして松枯れの赤松を利用しギターを作り続けている弊社としては気になることだらけ!
これはカッコいい赤松くんの故郷を訪ねないわけにはいきません!

ということで7月某日・・・

いざ!ディバイザーがゆく!スタッフ!本社のある松本市から隣町の安曇野市へ!!

車を走らせること約30分・・・

自然豊かな山の手前で看板が見えてきました!

こちらが今回ディバイザーテクニカルセンターに赤松を植えてくれた造園屋の「大南造園」さんです。
大南造園を運営する降幡篤志さんが出迎えてくれました!

ディバ:本日はよろしくお願いいたします!新社屋の赤松の植え付けもありがとうございました!!
大南造園 降幡さん:こちらこそ、よろしくお願いいたします!新社屋に植えた松はあそこに植わってたんですよ!!
ディバ:ここから来たんですね!!!

ここの空いたスペースにディバイザーへ来た赤松が植わっていたとのこと!

今回ディバイザーへ来た赤松は既に根回しが済んでいたのですぐに移動できたとのことで、養分を吸い上げる根を少しずつ切っていかないと動かすことができず、時間をかけて移動できるようにすることを「根回し」というと聞き、ビジネスや普段のシーンで聞く「根回ししておく。」の語源もここからなのかと初めて知りました。

その辺りにも松や庭木が植わる空間で早速色々な話しを聞いていきます!

『大南造園』さんの歴史の伺うと降幡の苗字が多い安曇野市で昔、一番南側ということ意味する屋号として大南の名がついていたことから、その名を取って大南造園と名付けたと話しをしてくれました。
名付けてからまだ10年少々という期間でそこからブランディングを変え、今のスタイルを築き上げられています!

大南造園の漢字は知り合いの方が書いてくださった唯一無二のフォントというのが好感を持てます!

ロゴマークも赤松の葉がデザインされており、春になると必ず新芽が上へ伸びる赤松の葉が好きでデザインに取り入れたと大南造園の降幡さんは語ります。

胸にロゴマークが入ったオリジナルの作業服からも松に対する思いを感じます。

降幡さんはこれからの自分たちの世代に向けた時に良いと思ってもらえるものは何なのか?若い人たちで庭木が嫌いな人も多く、そういう人たちに興味を持ってもらいたい。それぞれの木もカッコよく、昔ながらの日本庭園や庭では無く、木1本1本が持つ魅力を伝える為に『この1本1本を飾る何かはないか?』というところからディバイザー新社屋へ植え付けた様な見せ方のスタイルを考えていったと話しをしてくれました。

『庭rium』と名付けられたこの独特のスタイルは有名アクアリストの方が作る水槽がカッコ良く、そこからインスパイアを得て作り始めたと教えてくれました。
水槽をイメージしたような囲いの中に赤松を植えることでその空間だけでも絵になる和でありながらモダンな印象も強く受ける独特のスタイルになっています!
様々なアイディアから行動し落とし込んでいくことは、ギターという楽器へ様々なエッセンスをストーリーとして取り入れていく私たちのギター作りにも通じる部分があり共感を感じます。

そして、大南造園さんの中で一際大きく目立つ2本の木が『庭rium』のスタイルで植えられています!

圧倒される存在感の2本のみねぞの木。

この2本は絵画にある風神雷神図屛風をモチーフに仕立て上げたと話しをされており、独特の存在感は見るものを引き付ける魅力満点の圧巻の光景が広がります!
ここのスペースは誰でも見に来てくれて良いと話しもされており、夜の雰囲気と薄く仕立てた松に雪の積もった様子はまた違った表情になると聞くとまた見に来たいと思わされます。

中央にはモチーフとなった風神雷神の文字が!

この風神雷神図屛風の2本を見ながら赤松やこのみねぞの木など庭木の仕立て方のこだわりを聞くと「薄く葉を仕立てているから、よくある丸く山形の仕立てより上品にバランスよく仕立てられる」と話しをしてくれました。

また、枝の伸び方はこの2本では自然の曲がりを生かしながら、枝の選定を行い形を整え作っていったとの話しで、2本の木はなんと元々生垣の木でそこから庭木に仕立て上げられたものと聞くと驚きます!
ディバイザーの松の木にも張ってある紐の理由を聞いてみると、『松の木は上へ上へ伸びていくから、紐で下に引っ張って上げることで枝を下げ、松は枝が下がっていたほうがカッコ良くなる』と聞くと確かに自然の松より枝が下がり広がりのある赤松は上品さと絵画の一幕の様な雰囲気になっていることがわかります。

そこからカッコいい松の造り方を伺うと、松は年2回の葉を積むことが大事で、一度春に新芽を摘み、夏に2度目の葉を摘むことで形良くしっかりと育っていくと語ります。
全ての葉を摘むわけでは無く、必要な葉は残しながら手作業で摘んでいくと聞くと、形を整えた赤松の生育には手間がかかり時間と労力が必要であることを感じさせます。こうして話しを聞くとディバイザー・テクニカルセンターへ来た赤松も長い時間をかけて育ててもらった松であり、それがあったからこそ、あのカッコよさと大きな盆栽の様な迫力ある雰囲気になったのだと知ることができます。

実際に松を手に聞くとより一層手入れの大変さが伝わってきます。

将来通りの道から見える方にも作りたいと語っておられ、今度はイメージを変えながら同じ「庭rium」スタイルで作りたい、やりたいことがあると話しを聞くと、いまから完成する日を期待させられると共に語られるその姿からは庭師としての創作の意欲を感じます!

枝の形を整え時間をかけて、大きくせず幹を太くすることで盆栽としての価値が上がっていきます。

座るスペースを用意してくれていた降幡さんの優しい人柄を感じながら、隣に置いてある小さな赤松の話しを伺うと生えてきた松を植え替え盆栽として作っているところと話していただきました!
高額で取り引きされる幹の太い盆栽を作るには、まだ小さいところから大きくせずに幹を太くしていく手間暇がかかり、年月もものすごくかかる。だからこそ、名のある松を作ることは大変であると話しをしてくれました。

降幡さんは服が好きなことも相まってTシャツなどが作りたいことがきっかけとして、アパレルなどオリジナルグッズの製作も積極的に行われています。
コアなブランドとして展開して行ければと語られていましたが、造園を超えて赤松を通して可能性を広げていく姿勢が伝わってきます。

話しをしている中で私達が2017年にアカマツギタープロジェクトを始めるきっかけとももなった、赤松の森が今直面している松くい虫の問題の話しとなりました。

豊かな安曇野の山々も赤松の森が多く広がります。

大南造園さんの裏側にはファインビュー室山という小高い山がありますが、ここも枯れ出しており来年にもなれば更に状況が悪化するのでは無いかと危惧されており、大南造園さん付近では近くの川沿いが一番状況が悪く、かなりの面積が枯れてしまったと話しをしてくれました。

今では松くい虫の赤松立ち枯れ被害が日本一多くなってしまった長野県ですが、昔は松くい虫の被害はなかったようです。
ここ10~15年ほどで被害が出始め悪化を続けている話しを聞くと自然環境の変化の実態を知らされます。

山々そして森を見ながら話しされる眼差しからは真剣さが伝わってきます。

広がる速度も年々早まっており、人の手でできる対策は施しているが追いつかないスピードになっており、追いつかせる為の薬品空中散布は健康被害への懸念などがあり、進まないまま長野県が松くい虫の被害が一番大きくなったのが実態です。

個人宅の庭に植えられている赤松にも被害が広がっており、樹齢100年を超える希少な木にも被害の手が伸びているようで、薬を使っての対策に追われており、ひと嚙みでも松くい虫を運ぶカミキリムシに嚙まれると赤松はアナフィラキシーショックの様な症状で枯れてしまう為、寄せない噛ませない対策が大事と語りますが、この時期は気が気ではないとも話します。

大きく立派な赤松、やや葉の色が薄いのが気になると降幡さんは話しをしてくれました。

大南造園さんに植わっている長い年月をかけて育てた立派な1本も最近葉の色が薄く松くい虫の疑いがかかったようですが、診断を行いヤニが出ると大丈夫との話しがあったようですが、葉の色がおかしくなってしまったと不安が残っているようです。

時間をかけた赤松が一度虫につかれるだけで枯れてしまうという現実を聞き、今まで以上にこの実態を伝える為「アカマツギタープロジェクト」は重要であると再認識させられ、『赤松の森を守る為、発言の力を付けられるようにもっと頑張らないとならない。』という言葉は胸に響くものがあり赤松のプロの目線から語られると実感が変わってきます。

これだけ次の世代へのことを考え、そして赤松の森・個人のお宅で歴史を刻んだ松を守る為に考えられている大南造園の降幡さんが手掛けてくださったディバイザー・テクニカルセンター植わっている赤松と共に、この新社屋も歴史を刻み様々な場所から訪れる方々にギターを通じて赤松の事を知ってもらい木を見てもらい赤松そのものにも関心を持ってもらえるように私達も奮闘しなければならないと身に沁みた取材になりました。

ちなみにディバイザー・テクニカルセンターの赤松も夜ライトアップされるように仕上げてもらっており、昼とは違った表情が楽しめるようにしてもらっていますので、通りがかりの際はぜひ見てみてください!!

おまけ

大南造園さんの向かいには牧場があり、かわいいポニーがいますが降幡さん曰く結構イタズラ好きで子どもの手を噛むことがある為注意が必要とのこと。

取材の最後に話しに出てきたすぐ隣のファインビュー室山へ!赤松の森を少し登った山頂には『でいだらぼっちゃ』の展望台が!
ここから見える松本平の風景は絶景です!!

■OMINAMI 大南造園

住所:〒399-8103 長野県安曇野市三郷小倉5852−3
Instagram:https://www.instagram.com/ominamizouen3988/
WEBSHOP:https://ominami.base.shop/

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