【ディバイザーがゆく!ギターショップ巡り】番外編~JR松本駅コンコースに百瀬恭夫 最終モデルの展示
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日本全国の楽器店を巡る企画「ディバイザーがゆく!」ですが、今回は番外編となります。
この松本市にはディバイザー以外にもギターメーカーが多くあり、「ギター生産日本一のまち」として市内各所でイベントや展示会が行われています。
松本市は学都、楽都、岳都の三ガク都と呼んでおり、学問、登山・山岳とともに音楽の街であることを発信しています。
そんな中で、街の玄関口である松本駅のコンコースにてギターの展示を常設的に行っております。
前回の展示は、桜の木材を用いてギターを製作して10年の節目となる年でしたので桜のギターを展示しました。
松本の玄関口である「松本駅」!!
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今回の展示は、2024年3月19日に惜しまれつつ亡くなったHeadwayマスタービルダー百瀬恭夫が製作した、最終機となったモデル「VHD-180 CUSTOM」を松本駅コンコースに展示することが決定しました。
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松本駅改札前に上がると早速目の前には、多くの観光客や通勤通学などのお客様が利用されていました。
今回の百瀬恭夫のギター展示は、派手な装飾などはなくシックな雰囲気でまとめあげ展示させていただきました。
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百瀬曰く、「人生のほとんどの時間を、ギター作りに使ってきたけど完璧と呼べるものは一度もない。」
お客様から息を呑むほど素晴らしいギターと称揚されることもあり、周りの人間からすると「ここまですごいギターなのに?」と言われることもしばしばありました。
ギターが完成するたびに「まだまだ、可能性のある部分もあるし次はさらに良くできる。明日から頑張ろう!」
1/10mm単位の世界でこだわった世界観は彼にしか、見えない景色だったと思います。
実直な性格であり妥協を許すことがない職人百瀬だからこそ「納得」なんて言葉で片付けることができない「ギターづくり」の奥深さを伝えたかったのでしょう。
人間味あふれる百瀬の照れ言葉だったかもしれません。
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百瀬は生前、筆者にも多く語ってくれていました。
「少しだけでもいいから毎日弾いてほしいなぁ、やっぱりケースに入れっぱなしは寂しいよね」
「弾き込んでその人の鳴りを育てて欲しい・・・それぐらい頑丈に作ってるから」
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晩年は、シンプルな装飾とウッディな音色を好んで製作していた百瀬恭夫。
百瀬「歳を取ると派手さより、素朴なものが好きになるな笑」そんなこともよく話してくれていました。
よく嬉しそうに話しいたのが、完成したギターの試奏テストの時に「今回もいい出来だけど、次はもっと改良して良くなるよ!」
筆者より倍以上も離れた、ギター作りの巨匠がはにかみながら照れる姿は今も心に残っています。
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百瀬は、ギター職人の業界に飛び込んで以来、なにか必要な工具等があると自作して専用のものを愛用していました。
市販されているものを自身でアレンジし、ときにはイチから製作するなど多岐にわたり作ってきました。
現在も多くの治工具が、飛鳥ファクトリーの礎となり使用されています。
「Headway創業当初は試行錯誤ばっかりで、ギターを作るより治工具を作ってる時間が長かったぐらいだよ笑」
下積みが長かったこともよく話をしてくれていました。
百瀬が愛用しているノミは、通常は10センチほどの刃渡りがあるのだが、研ぎを繰り返し数センチほどの短さになっている。
「このノミを削り終えたら、俺も引退するわ!」なんて冗談もいっていました。
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小さいカンナや治工具も展示しているのでぜひ足をお運びいただけますと幸いです。
百瀬の手に馴染んだ多くの道具達の一部を展示中です。
本人のトレードマークでもある「メガネ」ももちろん展示しています。
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生涯に渡り、ギター職人人生を歩んできた百瀬恭夫
その、人柄や精神はいつの時もHeadwayの原点として職人及び社員全員に息づいています。
これからも、百瀬の「意志」を受け継ぎ、彼の目指した最高のギター作りを継承していきます。
2025年2月末まで展示しておりますので
ぜひ、松本駅にお立ち寄りの際は展示を御覧ください。
ディバイザーがゆく!ギターショップ巡り特設サイト
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