ディバイザー製品のメンテナンス方法について
ギター本体の保管方法について
- Q. どのような場所でギターを保管すればよいですか?
ギター・ベースのネックは木工製品である以上、湿度や気温変化の影響を受けやすく、保管環境によってはネックの「反り」や「ねじれ」を引き起こしてしまうケースも少なくありません。末永くお使いいただくためにも、湿気の溜まりにくく、風通しの良い場所で保管いただくことが前提となります。調湿材や加湿器などを適宜ご使用いただき、年間を通して湿度50~60%を目安に保っていただくことお勧めいたします。
※エアコンの風が直接当たる場所や直射日光の当たる場所での保管は避けるようにしてください。
アコースティックギターの場合、ネックだけでなくボディにも保管環境による影響の及ぶ場合があります。例えば、湿度変化による「トップ板の膨らみ・凹み」は最もよく見られる症状の一つであり、弦高が高くなりすぎたり、いわゆる「ビビり」を引き起こすなど、演奏のしやすさに直結する問題へとつながります。基本的にエレキギターと注意すべき点は同じですが、梅雨の時期や乾燥しやすい冬の季節には、使用しない場合ハードケースにて保管いただくことでネックやボディへの影響を最小限に抑えられます。
- Q. ギターを大切に使用するために日頃から気を付けるべき点はありますか?
正しい保管方法と合わせて、ご使用とともにゆるみの発生しやすいパーツの状態を確認していただくことをお願いしております。修理品のご依頼の中には、ストラップピンのゆるみなどから演奏中に落下してしまい、大切なギターを傷つけてしまったというケースも少なくありません。弦交換などのタイミングで定期的に確認していただくことで、万一のトラブルを未然に防ぐことが可能です。以下に、チェックの必要な項目をまとめましたのでご参考くださいませ。
1.)ストラップピン
ストラップピンおよびボディ下部のエンドピンの両方を締めてください。
※ビスを締める際は必ず適切なサイズのドライバーをご使用ください。ネジ山が潰れてしまったり、作業中にボディを傷つけてしまう恐れがございます。2.)シールドジャック
シールドジャックがゆるんだまま使用を続けることは、内部サーキットの断線につながります。しっかりとナットを固定してください。
※作業の際は画像のようにプレートをボディから一度取り外し、ジャック部分を固定した状態でナットを締めてください。3.)ペグおよびネックプレート
ご使用により特にゆるみやすい部分です。弦振動が正しく伝わるようになりサウンドにも良い影響を与えるため、定期的なチェックをおすすめいたします。※ペグのナット(画像左)は強く締めすぎてしまうと、ヘッド塗装面のひび割れにつながりますのでご注意ください。ギターの場合で10mmのレンチ、ベースでは17mmのレンチが主に対応します。
- Q. 演奏し終わった後、弦は緩めるべきですか?
長期間演奏されない場合、全弦のペグを1音~1音半ほど緩めてほどよく弦のテンションがかかる状態で保管することを推奨しています。弦を緩めすぎてまったく弦のテンションがかからない状態にしてしまうと、ネックが「逆反り」方向に動いてしまう可能性がありますのでご注意ください。
ただし、毎日弾かれるようであれば、弦の金属疲労という観点から、弦を緩めなくても問題ございません。 弦を張って緩めてを頻繁に繰り返すことは弦が痛む原因となり、切れたり、弦振動の仕方が均一でなくなったりするなどの問題につながります。
各種メンテナンス方法
- Q. 指板に使用できるメンテナンスグッズを教えてください
レギュラーモデルで採用されているローズウッドやエボニー指板では、乾燥する時期に合わせてギター用のオレンジオイルやレモンオイル、蜜蝋系ワックスなどを適量塗布してご使用ください。いずれの商品につきましても、乾燥時期の指板のひび割れ等を予防する目的を主に使用するメンテナンス用品です。木材の状態を良く観察しながら、各製品の使用上の注意をよくお読みの上ご使用くださいますようお願いいたします。メイプル指板の製品に関しましては、ローズウッドやエボニーとは異なり指板表面に薄い塗装が施されています。オイルの中でも比較的粘度の低いレモンオイルを軽く塗布し、指板の汚れ落としにご使用ください。
- Q.「ローステッドメイプル」仕様のネック・指板はどのようにお手入れすべきですか?
Bacchus Universeシリーズ、およびGlobalシリーズにラインナップされる「ローステッドメイプル(RSM)」モデルでは、指板およびネックに極めて薄いウレタン塗装を施し、演奏性に優れたマットな仕上がりを実現しています。一般的なグロス仕上げのメイプル指板と同様、塗装面ができるためギター用オイルなどによる保湿効果は得られません。従いましては、オイルの中でも比較的粘度の低いレモンオイルを軽く塗布し、指板の汚れ落としを目的としてご使用ください。蜜蝋系ワックスに関しましては、仕上げとして全体に適量塗布いただくことでフレットの保護や塗装面の艶出し効果が期待できます。
- Q.「トップラッカー」製品のお手入れについて知りたいです
Momoseブランドで採用しているボディの「Top Lacquer(トップラッカー)」フィニッシュでは、下地にポリウレタン塗料を吹きつけてからトップコートをラッカーで仕上げることによって、塗装の劣化を防止しております。こちらの表記がある製品につきましては、必ず「ラッカー塗料に対応した」ポリッシュをお使いください。※古い製品など、本体の状態によっては塗装が変質してしまう場合もございます。目立たない場所であらかじめ試してからご使用ください。
また、ラバー素材を含むギタースタンドを使用する場合、ヘッドおよびボディの接触する部分がラッカーと反応し、塗装を変容させてしてしまう恐れがあります。ラバーと接触する部分にギター用クロスを挟むなどの対策を適宜行ってください。
- Q.「オイルフィニッシュ」製品のお手入れについて教えてください
BacchusブランドのWOODLINEシリーズなどで多く採用している「オイルフィニッシュ」仕上げの製品では、乾拭きでのクリーニングを推奨しております。ポリッシュなどを使用した場合、塗布した箇所のみつやが強く出てしまう恐れがありますので使用は避けてください。頑固な汚れがある場合には水を硬く絞ったクロスで拭いていただいても問題ありません。
- Q. 特殊な塗装を採用した製品(漆・額縁塗装など)の取り扱い上の注意はありますか?
以下にディバイザー製品で採用している特殊な塗装について、その特徴と取り扱い上の注意点を記載いたします。ご参考くださいませ。
漆塗り(Headway 限定モデル など) 伝統的な「拭き漆」による極薄の塗膜となっております。ギター用ポリッシュなどには対応しておりませんので、乾拭きにてクリーニングしてください。 額縁塗装(STR TEシリーズ など) 実際にアンティーク絵画の額縁に使用されている手法を用いた特殊な塗装を採用しており、着色後に金属箔を貼って仕上げられます。(※経年変化により金属箔部分が緑に変色したり、使用環境によってはジーンズなどの色が移ってしまう場合がございます。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。) サテンフィニッシュ(Bacchus Global Series) オイルフィニッシュの風合いを再現したマットな手触りが特徴の塗装です。ポリッシュ等の使用は避け、乾拭きにてお手入れをしてください。 ミルクペイント(Momose 赤松モデル) アンティーク調のデザインに仕上がる塗装方法です。トップコートには薄いラッカー塗装が施されているため、ラッカー製品に対応したポリッシュをご使用いただけます。
- Q. アクティブ回路搭載機種の電池交換はいつすればよいですか?
アクティブ回路を採用した機種で使用する9V電池につきましては、毎日演奏される場合で約一年おきの交換を推奨しております。また、交換される電池に液漏れや劣化があると内部のサーキットに悪影響を及ぼす可能性があるため、必ず新品の物をお使いいただきますようお願いいたします。
※18V電池を搭載した機種では、2本の9V電池をバックパネル内に搭載しています。電池を交換する際には、内部回路にかかる電圧の変化を防ぐため必ず同銘柄の物を使用し、2本同時に交換してください。
その他ディバイザー製品に関するよくあるご質問
- Q. 指板材の「リッチライト」や「ミカルタ」とはどのような素材ですか?
Headway Standardシリーズ、Japan Tune-upシリーズの一部モデルでは、「Richlite(リッチライト)」および「Micarta(ミカルタ)」と呼ばれる樹脂材を原料とした指板を採用しております。エボニーにもよく似た黒々とした見た目が特徴的で、優れた耐久性を持ちます。お手入れの方法としましては、一般的なローズウッド指板等と同様に適宜レモンオイルなどをご使用ください。おおよそ弦交換のタイミングで少量塗布いただきますと、指板の汚れ落としと一定の艶出し効果が得られます。
- Q. 過去のHeadwayギターに付属していた専用レンチを入手したい
80年代ごろに製作していた初期のHeadwayギターやカスタムショップ製の旧モデルなどでは、現行のモデルとは異なるL字型のレンチを採用しておりました。多くのユーザー様からのお問い合わせを受けてディバイザーオンラインストアにて販売を始めましたので、以下のリンク先よりお求めくださいませ。
詳しい使用方法については、こちらのページにてご紹介しております。